◆ 住込みボランティアの これまでとこれから ◆
- 2019/03/08
- 12:59
ボランティアと共に始まる、2019年の農作業
こんにちは。妻です。
長い冬休み(我が家にとっては民宿繁忙期)がおわり、3月からは、いよいよ農作業シーズンとなります。
えづらファームでは、地域の方はもちろんですが、住込みでボランティアを受け入れていて、共に暮らし、働き、力強い戦力となってくれています。
さぁ、いよいよ、明日からボランティアメンバーがやってきます。
そして、その後入れ替わりで、11月上旬までは常に誰かがボランティアとして滞在することになります。
2019年の受け入れを前に、私たちがボランティアを受け入れている理由や、これまでのこと、これからのことをまとめてみたいと思います。
もっと詳しく。住込みボランティアって?
住込みボランティアとは、その名の通り、えづらファームの住宅に私たちと共に暮らして、通常の農作業をしてもらうメンバーたちのこと。

1日8時間、通常の農作業をしてもらう代わりに、宿泊、3度の食事、おやつ、様々な体験を無料で提供しています。
食事は、採れたて野菜たっぷり!

宿泊してもらうのは、農家民宿にも使っている個人部屋です。

滞在期間は、基本的には1週間~2か月ほど。
同じ時期の滞在人数は、農繁期で4~6名。忙しくない時期で2~3名。
農作業は体力的にキツイものですし、長期の休みが必要&ボランティアという特性上、応募してくれる方のほとんどが大学生や、20代の社会人です。新規就農を目指しているといった30代以上の方もいらっしゃいます。
1番多いのは日本人の大学生ですが、3割は海外から。男女比は男:女=1:9といったところでしょうか。
・・・ガールズパワー!!!
農業に従事したい!というよりも「田舎暮らしに興味がある」「様々な体験をしたい」「就職活動の前に色々な職業を見たい」といったような、職業体験&留学といった感覚で来る方が多い印象です。

2018年の受入れ人数は合計70名でした。
ありがたいことに、昨年は約200名の応募がありましたので、そのうち約1/3を受け入れたということになります。
ボランティア受け入れの歴史
今となっては、たくさんの方が来てくれていますが、もちろん、初めから今のようなかたちになった訳ではなく、「農業における人手不足」は、我が家にも大きくのしかかった課題でした。
2012年 独立の年 ボランティア0人
畑作農業は、管理作業はそんなに人手はいりませんが、植え付けと収穫の農繁期にのみ、5名ほどの人手が必要になります。
農家になったばかりの私たちにとって、5名ほど働きに来てもらうのは本当に大変なこと。
それでも、先代のオーナーが「江面さんのところを助けに行ってあげて」と地域の方にお願いしてくださったおかげで、農繁期には、近所の方々が何人か働きに来てくれました。
そして、それでも人数が足りない時は「働きに来てもらえませんか?」と手土産をもって地域の農作業経験者の方の家をまわりました。
農作業では、私たちがベテランの地域の方々に怒られることも。
私も、じゃがいものハーベスターのオペレーションを「下手くそー!」と怒鳴られたり(笑)
夫の機械操作と私の操作がかみ合わず、作物をたくさん落とした時は「夫婦でしっかり力合わせんかー!!」とみなさんから叱咤激励されました(笑)
あぶなっかしい経営者だったのだと思います。
けれど、グニャグニャに曲がりながらも必死に進む夫のトラクターを見ながら
「がんばる奴ァイイサね」(北海道弁)
と地域の方が話していたのをこっそり聞いてしまった時は、泣きそうになったのを憶えています。

2012年の5月に娘が生まれ、育児が大変な中の人手不足。
当然、オーナーである私も畑にでる必要がありました。
義両親が娘を見に車で3時間かけ来てくれたり、近所のご家庭に赤ちゃんの娘を預けることも(笑)
今でも、「お前、赤ちゃんの時はうちに来てたんだよー」と声をかけてもらい、娘はキョトンとしています。
おんぶして働くこともありました。

そして、義両親も一緒に働いてくれました。

せっかく勤め上げ、定年をむかえるにも関わらず、息子夫婦が予想外の「農家」になり、農作業を手伝うことに!
まさかの農作業定年後デビュー!は、”新規就農者の親あるある”だそうですね。
こんなふうに、就農1年目は、ギリギリ、無理しまくり、ハラハラドキドキの経営でした。
お世話になった方々には感謝してもしきれず。
「あなたがいるから今の私がある」というありふれた言葉も、心から理解できます。
そして同時に、農業の人手確保の大変さを思い知らされました。
過疎化がどんどん進むこの地であと何十年も農業をするなら、地域の方や義両親に甘えていては先がないのではないか。
私たちだけでなく、地域全体が人手不足になり、この地域で農業を続けるのが困難になるだろう。
そう危機感をもち、人がいないなら、他から来てもらう必要がある・・・と感じたのでした。
2013年 はじめての学生バイト受け入れ
北海道大学のゼミがフィールドワークの一環として我が家に視察に来てくれたとき、学生の1人に「インターンシップは受け入れてないんですか?」と声をかけられました。
「受け入れるなら来る?」と聞くと「もちろんです!」とのこと。
また、東京農業大学で講師を頼まれたとき「アルバイト募集中!」と伝えると1名の応募がありました。
住込みアルバイトに興味のある学生はいそうだ!と確信。
この年は、北大の学生、東京農大の学生、その友人数名に住込みに来てもらい、働いてもらうことになりました。

この時は、まさかボランティアで来てくれるとは思わず、しっかりとしたお給料を払わせてもらったので、人件費の都合上、少人数の受入れしかできませんでした。
初めて会う方と一緒に暮らす・・・それが一番の心配でしたが、わざわざ農家に住込みで来てくれる学生は頑張り屋さんで良い方ばかりで、戸惑いもありながらも、楽しく暮らし働くことができました。
義両親は、農繁期はやっぱり家事や子守りに来てくれましたので、私も目いっぱい働くことができました。
また、地域の方には、無理にお願いして来てもらう必要はなくなり、行くよ、と言ってくれた方のみに来ていただくことができました。
2014年 本格的に受け入れ開始!
学生をもっともっと受け入れよう!と決めた私たち。
大人数に正規のお給料を支払って来てもらうのは難しいため、お給料は半額だけど、宿泊食事おやつが無料だよ!と「ボラバイト」に変え、たくさんの学生に来てもらうことにしました。
前年来てくれた北大生に相談したところ、彼自身もことあるごとに働きに来てくれた上に、札幌の学生を合計10名以上紹介してくれたのです。
そう、彼は、北大のイベントの実行委員長をつとめるほど、THE人脈ある学生だったのです。
彼は本当に頑張ってくれました。校内や校外で「ファームステイ興味ない?」と声をかけている目撃情報が数人から寄せられているぐらいです(笑)

どうしてそこまでして協力してくれたのか…ちゃんと聞いたことはありませんが、自分の一言がきっかけになり始まった受け入れを発展させることに、喜びを感じていてくれたのかもしれません。
そして、1度来てくれた方に「人が足りないの!誰かいないかな?」と懇願し、この年は合計15名のボラバイトを受け入れることになりました。
北大生の彼が築いてくれた基盤、そこから発展した札幌の大学生とのつながりは、今もなお続いています。
このように、1人の学生の大きな助けによって実現したボラバイト集めでしたが、大人数で食卓を囲み、働き、ひといきついたら一緒に遊びにでかける・・・。
人との出会いが少ない農村の暮らしにちょっと寂しさを感じていた私たちにとって、目をキラキラさせた学生たちとの出会い、そして交流は、純粋に楽しいことだと感じられました。

また、来てくれた方が、単なるバイトではなく貴重な経験ができる場としてえづらファームに滞在してくれることにも驚きました。
2歳になった娘が「おにいたん!」「おねえたん!」とたくさんの学生に可愛がってもらっている姿も、想いに拍車をかけました。
ボラバイトの受入れは、いける!!
人手不足の解消はもちろんだけど、きっと、お互いにとって、それ以上の価値がある。
そして、私たちは、人の受入れを楽しむことができる性格のようだ。
たくさんの人に他の地域から来てもらう「人の集まる農場」
我が家はこれでやっていこう!!!
そう確信した1年だったのです。
2015年 ホームページ開設
この年は、受け入れ人数がぐっと増え、ボラバイトを50名ほど受け入れることができました。
引き続き北大生も学生を紹介してくれ、また1度来てくれた方の紹介も多かったのですが、この年にボラバイトの応募を助ける大きな変化がありました。
農家民宿の開始と、それに伴う農場のホームページの開設です。
キレイな客室を完成させ、ボラバイトにもそこに泊まってもらえるようになりました。
そして、HPにボラバイトの募集を掲載。日々の仕事や部屋の様子などが詳しく見れるようになり、HPを見ての応募者がぐっと増えたのです。
この頃から、学生だけでなく、社会人も応募してくれるようになりました。

人に勧められたからではなく、自ら調べ、連絡をとり来てくれる。そんなボラバイトがここで得る経験の重みを、この年は強く感じることになりました。

専門大学を休学して4か月滞在してくれたあと、農の世界に進みたいと、大学を中退し、農家と深いつながりのある飲食店で働き始めたメンバーもいます。
ここでの経験を卒業論文の題材にしたメンバーも3名いました。
就職活動前にボラバイトを経験したことで、単純に大手に就職したい、という気持ちがなくなり、将来自分の力で仕事ができるようなスキルの身につく会社を選んだ、というメンバーもいました。
美しい自然を見ていたり、他のボラバイトとのおしゃべりが楽しくて、スマホ依存症がなおった!というメンバーもいました。
お給料がほしいなら、都市のコンビニなどで働くと思います。
ここまでわざわざ来てくれる方たちは、給料など望んでいない、むしろ、それに代えられない人生に役立つ経験を求めていると理解することができました。
そして、翌年は完全に「ボランティア」で人を募集してみることになりました。
2016年 ボランティアとしての受入れに変更 海外からの申込み 他農園への派遣も
えづらファームの民宿が軌道に乗り始め、海外からも人を受け入れる為、英語のHPを作りました。
それにより、海外からのボランティアの申込も急増したのです。

農家でボランティアを受け入れていて、英語のHPをもっているところが日本にほとんどないため
「Farmstay」「Hokkaido」と検索すると、我が家のHPが1番上に来るとのこと。
えづらファームが良いというより、他に選択肢がないので、必然的にたくさんの外国の方々が来てくれるようになりました。
また、海外の方にはワーキングビザなしにお給料を支払えない為、ボランティアの受入れに変更して、正解だったと思いました。
さらに、この年から、農繁期に我が家のボランティアに他の農園でも働いてもらうようになりました。
派遣先の農家さんは、ほんの数日ではあるのですが、とても助かったと喜んでくれました。
もともと、えづらファームだけでなく、地域自体の人手不足も解消できればという想いではじめた受け入れです。
今後、この動きがもっと波にのっていけばと思っています。
2017年 応募者が受入れ人数より多くなる それゆえの課題も
ホームページの閲覧数も増え、農場ボランティアでネット検索すると、えづらファームが上位にくるようになりました。
来てくれた方の紹介も、自然とつながるように。

この年はじめて、ありがたいことに、応募者が受け入れ人数を上回るようになりました。
全員を受け入れたい気持ちですが、部屋数や仕事内容から考えても、そうはいかないので、基本的には先着で受け入れさせていただくことに。
働きにきてくださいと、地域の家をまわった日が嘘のような出来事です。
でも、HPから直接の申込みが増えることで、贅沢な悩みではあるのですが、新たな課題も出てきました。
ホームページなどで「楽しそう」「農業はすばらしい」といったイメージを強く打ち出しすぎたのかもしれません。
田舎でゆっくりするためにボランティアに参加したのに、こんなに農作業がハードだと思わなかた…と、期待との違いに戸惑う方も現れたのです。
働く時間を短くしてほしい、あまり力を使わない仕事をさせてほしい等と、今までにはなかったお願いをされることも。
そして、この年はじめて、途中で帰る「リタイア」を1名出してしまいました。

また、「食事付きの住宅を探している」「非行に走った息子を預けたい」「家がないので住ませてほしい」「2歳の息子にボランティアを経験させたい」等、こちらの受入れスタイルと異なるお問合せも、たくさん入るようになりました。
世にある他の施設との違いを理解していただく努力をもっとしていかないといけないですが、インターネットで広く募集する以上、こういうミスマッチは起こりうることだと思います。
同時期に滞在する他のボランティアの為にも、仲間として暮らせる、同じ意識をもった方に来てもらう必要があります。
そこで、翌年からは、先着順ではなく、ちゃんと志望動機を聞いた上で選考させていただく必要がある・・・と思うようになりました。
2018年 応募人数が200人に ボランティアをきっかけに遠軽町に2名が移住
2018年は本当に嬉しい年でした。
2013年にはじめてボランティアに来てくれた学生が、社会人経験を積んだ後、えづらファームで従業員として働きたいと言ってきてくれたのです。彼女は遠軽町白滝に移住してきて、今も従業員として頑張ってくれています。

そして、ボランティアに2回来てくれた社会人の女性が、遠軽町の地域おこし協力隊として移住してきてくれました。
はじめは、農場の人手不足解消のために始めた受入れでしたが、その枠を越え、町への移住につながる動きが出てきたのです。
この年は、飛躍的に応募者が増え、合計200名を越えました。
選考はさせていただきましたが、1人でも多くの方に来てもらいたくて、受け入れ人数を増やして70名を受け入れました。
それが実現した理由は2つ。
1つは、ボランティアメンバーが物置だった部屋をリフォームしてくれ、部屋が1つ増えたこと。

そして、従業員として移住してきてくれた子に、ボランティアの農作業指導を任し、私の負担が減ったことです。
従業員が1人来てくれたことで、前線で農作業をした上で食事も作っていた頃では考えられない、精神的、身体的なゆとりを得ることができるようになり、より多くのボランティアを受け入れられるようになりました。
また、選考を始めたことで、ミスマッチはだいぶん減り、充実した時間を過ごしてくれる方も増えました。
でも、この年も、2名のリタイアを出してしまいました。
来年はリタイアが出ないように事前の選考と滞在中のケアをちゃんとしていきたいと思いますが、どうしても続いてしまう課題かもしれません…。
そして何より、1/3の方しか受け入れられなかったのは残念です。
1人との出会いがえづらファームや地域に多くの良い影響を与えてくれていることを考えると、もっと受け入れられていたら、もっともっと何かが起こっていたかもしれない…と思うのです。
2019年は、何とかして更に受入れ人数を増やしたいと思っているのですが、この話は最後にしたいと思います。
受入れにあたって、大切にしていること
「ボランティアだから、人件費がかからなくていいね」
とか、また逆に、
「住込みさせるのは大変だから、人件費がかかっても、地域の人を雇ったほうがいいんじゃない?」
などと、時々言われます。
だけど、私たちは、人件費削減の為に、ボランティアを受け入れている訳ではないんです…。
むしろ、コストのことを考えると、1シーズンずっとボランティアを受け入れるよりも、必要な農繁期のみベテランの方々に働いていただく方が良いかもしれません。

前提はもちろん「先を見据えた、農場の人手不足の解消のため」であり、働き手として多いに期待しています。
今や、農場にとってボランティアの労働力はなくてはならない存在です。
だけど、ボランティアで受け入れをしているのは、「金銭には代えられない価値を、1人でも多くの方と分かち合うため」なのです。
なので、ボランティア1人ひとりが希望する、ここで経験したいことを、できるだけ叶えたいと思っています。
「滞在中、何かしてみたいことある??」と、夫も私も必ず声をかけるようにしています。
「星空を見たい」「花火がしてみたい」(今は自由にできる場所が少ないそうですね)「外で食事がしたい」など…。
そんな小さな希望も、できる限り経験してもらいたいのです。



中には「〇〇を作りたい!」と言ってくれることもあります。
例えば、これはピザ窯。ずっと作りたかったけど、そんな余裕はない中、「作ってみたい!」というボランティアメンバーがいたので、デザインから全てお任せしたところ、こんなに素晴らしいピザ窯を作ってくれました。


このピザ窯でのピザ作り体験は、今は人気の民宿のアクティビティとなりました。
庭づくりに興味がある方も多く、例えば「レンガの道」を作ってくれたメンバーもいました。

他にも、
「オリジナルTシャツ」
「えづらファームのイラスト」
など、ボランティアの子が、ここでしかできない経験として、楽しんで取り組んでくれ、えづらファームの一部になったことは数え切れません。
金銭には代えられない価値や経験は人それぞれですが、それを聞き、叶えられる農場であり続けることが、たくさんのボランティアに来てもらう為に必要なのだと思います。
そして、ボランティアのチャレンジの結果が、パッチワークのようにつながり、ひろがり、えづらファームを魅力的な農場にしてくれているのを感じています。
私たちの農場は、ボランティアメンバーによって、つくり上げられてきたものなのです。
そしてそれは、私たちにとっても、金銭で買うことのできない価値なのだと思います。
また、ボランティアメンバーと真剣に向き合い、心を通わせることができれば、
彼らは、ここでの体験、農村の暮らし、農業のこと等を、自然と友達などに話してくれ、
その血の通った経験談は、私たちの想いと共に広がっていくのです。
ボランティアと共にあゆむ、えづらファームと地域のこれから。
さて、明日から2019年のボランティアがやってきます。
今年は、すでに2018年よりも応募が多かった為、今まで4~5名ほどの受入れだった「ビートの播種」に、思い切って7名を受け入れることにしました。
母屋の他に、コテージにも滞在してもらう予定です。
従業員も2年目となり、去年以上に現場を任せることができそうですので、私はボランティアの受入れに専念したいと思っています。おそらく、去年以上のメンバーを受け入れることができるのではと思います。
そして、これからも変わらず、1人ひとりに貴重な経験を持ちかえってもらいたいと思います。
さらに欲を言えば、その中でたった一握りでも、白滝に移住してきてくれる仲間がうまれれば素敵だなぁと思っています。
ボランティアをきっかけにここに移住してきて、えづらファームで働くことはもちろん、農業を始めたり、カフェやゲストハウスをオープンする人が出ないかなぁ・・・なんて期待すらしています。
今まで300名近くを受け入れ、移住者が2名ですから、もちろん簡単なことではありません。
でも、それは、「人に来てもらう」という枠が農場から地域に広がっただけなのだと思います。
はじめは人材確保に大苦労していたえづらファームにたくさんの人が来てくれるようになったように、次は地域にたくさんの人に来てもらいたい。そのための工夫と努力をしていきたい。
人の集まる農場から、人の集まる地域へ。
みんなでつくる農場から、みんなでつくる地域へ。
今までと同じように、多くの方に支えられ、助けてもらい、新たな課題にぶつかりながら、
きっと叶えることができるはずだと信じています。
2019年。今シーズンもがんばります。
さぁ、明日から。

こんにちは。妻です。
長い冬休み(我が家にとっては民宿繁忙期)がおわり、3月からは、いよいよ農作業シーズンとなります。
えづらファームでは、地域の方はもちろんですが、住込みでボランティアを受け入れていて、共に暮らし、働き、力強い戦力となってくれています。
さぁ、いよいよ、明日からボランティアメンバーがやってきます。
そして、その後入れ替わりで、11月上旬までは常に誰かがボランティアとして滞在することになります。
2019年の受け入れを前に、私たちがボランティアを受け入れている理由や、これまでのこと、これからのことをまとめてみたいと思います。
もっと詳しく。住込みボランティアって?
住込みボランティアとは、その名の通り、えづらファームの住宅に私たちと共に暮らして、通常の農作業をしてもらうメンバーたちのこと。

1日8時間、通常の農作業をしてもらう代わりに、宿泊、3度の食事、おやつ、様々な体験を無料で提供しています。
食事は、採れたて野菜たっぷり!

宿泊してもらうのは、農家民宿にも使っている個人部屋です。

滞在期間は、基本的には1週間~2か月ほど。
同じ時期の滞在人数は、農繁期で4~6名。忙しくない時期で2~3名。
農作業は体力的にキツイものですし、長期の休みが必要&ボランティアという特性上、応募してくれる方のほとんどが大学生や、20代の社会人です。新規就農を目指しているといった30代以上の方もいらっしゃいます。
1番多いのは日本人の大学生ですが、3割は海外から。男女比は男:女=1:9といったところでしょうか。
・・・ガールズパワー!!!
農業に従事したい!というよりも「田舎暮らしに興味がある」「様々な体験をしたい」「就職活動の前に色々な職業を見たい」といったような、職業体験&留学といった感覚で来る方が多い印象です。

2018年の受入れ人数は合計70名でした。
ありがたいことに、昨年は約200名の応募がありましたので、そのうち約1/3を受け入れたということになります。
ボランティア受け入れの歴史
今となっては、たくさんの方が来てくれていますが、もちろん、初めから今のようなかたちになった訳ではなく、「農業における人手不足」は、我が家にも大きくのしかかった課題でした。
2012年 独立の年 ボランティア0人
畑作農業は、管理作業はそんなに人手はいりませんが、植え付けと収穫の農繁期にのみ、5名ほどの人手が必要になります。
農家になったばかりの私たちにとって、5名ほど働きに来てもらうのは本当に大変なこと。
それでも、先代のオーナーが「江面さんのところを助けに行ってあげて」と地域の方にお願いしてくださったおかげで、農繁期には、近所の方々が何人か働きに来てくれました。
そして、それでも人数が足りない時は「働きに来てもらえませんか?」と手土産をもって地域の農作業経験者の方の家をまわりました。
農作業では、私たちがベテランの地域の方々に怒られることも。
私も、じゃがいものハーベスターのオペレーションを「下手くそー!」と怒鳴られたり(笑)
夫の機械操作と私の操作がかみ合わず、作物をたくさん落とした時は「夫婦でしっかり力合わせんかー!!」とみなさんから叱咤激励されました(笑)
あぶなっかしい経営者だったのだと思います。
けれど、グニャグニャに曲がりながらも必死に進む夫のトラクターを見ながら
「がんばる奴ァイイサね」(北海道弁)
と地域の方が話していたのをこっそり聞いてしまった時は、泣きそうになったのを憶えています。

2012年の5月に娘が生まれ、育児が大変な中の人手不足。
当然、オーナーである私も畑にでる必要がありました。
義両親が娘を見に車で3時間かけ来てくれたり、近所のご家庭に赤ちゃんの娘を預けることも(笑)
今でも、「お前、赤ちゃんの時はうちに来てたんだよー」と声をかけてもらい、娘はキョトンとしています。
おんぶして働くこともありました。

そして、義両親も一緒に働いてくれました。

せっかく勤め上げ、定年をむかえるにも関わらず、息子夫婦が予想外の「農家」になり、農作業を手伝うことに!
まさかの農作業定年後デビュー!は、”新規就農者の親あるある”だそうですね。
こんなふうに、就農1年目は、ギリギリ、無理しまくり、ハラハラドキドキの経営でした。
お世話になった方々には感謝してもしきれず。
「あなたがいるから今の私がある」というありふれた言葉も、心から理解できます。
そして同時に、農業の人手確保の大変さを思い知らされました。
過疎化がどんどん進むこの地であと何十年も農業をするなら、地域の方や義両親に甘えていては先がないのではないか。
私たちだけでなく、地域全体が人手不足になり、この地域で農業を続けるのが困難になるだろう。
そう危機感をもち、人がいないなら、他から来てもらう必要がある・・・と感じたのでした。
2013年 はじめての学生バイト受け入れ
北海道大学のゼミがフィールドワークの一環として我が家に視察に来てくれたとき、学生の1人に「インターンシップは受け入れてないんですか?」と声をかけられました。
「受け入れるなら来る?」と聞くと「もちろんです!」とのこと。
また、東京農業大学で講師を頼まれたとき「アルバイト募集中!」と伝えると1名の応募がありました。
住込みアルバイトに興味のある学生はいそうだ!と確信。
この年は、北大の学生、東京農大の学生、その友人数名に住込みに来てもらい、働いてもらうことになりました。

この時は、まさかボランティアで来てくれるとは思わず、しっかりとしたお給料を払わせてもらったので、人件費の都合上、少人数の受入れしかできませんでした。
初めて会う方と一緒に暮らす・・・それが一番の心配でしたが、わざわざ農家に住込みで来てくれる学生は頑張り屋さんで良い方ばかりで、戸惑いもありながらも、楽しく暮らし働くことができました。
義両親は、農繁期はやっぱり家事や子守りに来てくれましたので、私も目いっぱい働くことができました。
また、地域の方には、無理にお願いして来てもらう必要はなくなり、行くよ、と言ってくれた方のみに来ていただくことができました。
2014年 本格的に受け入れ開始!
学生をもっともっと受け入れよう!と決めた私たち。
大人数に正規のお給料を支払って来てもらうのは難しいため、お給料は半額だけど、宿泊食事おやつが無料だよ!と「ボラバイト」に変え、たくさんの学生に来てもらうことにしました。
前年来てくれた北大生に相談したところ、彼自身もことあるごとに働きに来てくれた上に、札幌の学生を合計10名以上紹介してくれたのです。
そう、彼は、北大のイベントの実行委員長をつとめるほど、THE人脈ある学生だったのです。
彼は本当に頑張ってくれました。校内や校外で「ファームステイ興味ない?」と声をかけている目撃情報が数人から寄せられているぐらいです(笑)

どうしてそこまでして協力してくれたのか…ちゃんと聞いたことはありませんが、自分の一言がきっかけになり始まった受け入れを発展させることに、喜びを感じていてくれたのかもしれません。
そして、1度来てくれた方に「人が足りないの!誰かいないかな?」と懇願し、この年は合計15名のボラバイトを受け入れることになりました。
北大生の彼が築いてくれた基盤、そこから発展した札幌の大学生とのつながりは、今もなお続いています。
このように、1人の学生の大きな助けによって実現したボラバイト集めでしたが、大人数で食卓を囲み、働き、ひといきついたら一緒に遊びにでかける・・・。
人との出会いが少ない農村の暮らしにちょっと寂しさを感じていた私たちにとって、目をキラキラさせた学生たちとの出会い、そして交流は、純粋に楽しいことだと感じられました。

また、来てくれた方が、単なるバイトではなく貴重な経験ができる場としてえづらファームに滞在してくれることにも驚きました。
2歳になった娘が「おにいたん!」「おねえたん!」とたくさんの学生に可愛がってもらっている姿も、想いに拍車をかけました。
ボラバイトの受入れは、いける!!
人手不足の解消はもちろんだけど、きっと、お互いにとって、それ以上の価値がある。
そして、私たちは、人の受入れを楽しむことができる性格のようだ。
たくさんの人に他の地域から来てもらう「人の集まる農場」
我が家はこれでやっていこう!!!
そう確信した1年だったのです。
2015年 ホームページ開設
この年は、受け入れ人数がぐっと増え、ボラバイトを50名ほど受け入れることができました。
引き続き北大生も学生を紹介してくれ、また1度来てくれた方の紹介も多かったのですが、この年にボラバイトの応募を助ける大きな変化がありました。
農家民宿の開始と、それに伴う農場のホームページの開設です。
キレイな客室を完成させ、ボラバイトにもそこに泊まってもらえるようになりました。
そして、HPにボラバイトの募集を掲載。日々の仕事や部屋の様子などが詳しく見れるようになり、HPを見ての応募者がぐっと増えたのです。
この頃から、学生だけでなく、社会人も応募してくれるようになりました。

人に勧められたからではなく、自ら調べ、連絡をとり来てくれる。そんなボラバイトがここで得る経験の重みを、この年は強く感じることになりました。

専門大学を休学して4か月滞在してくれたあと、農の世界に進みたいと、大学を中退し、農家と深いつながりのある飲食店で働き始めたメンバーもいます。
ここでの経験を卒業論文の題材にしたメンバーも3名いました。
就職活動前にボラバイトを経験したことで、単純に大手に就職したい、という気持ちがなくなり、将来自分の力で仕事ができるようなスキルの身につく会社を選んだ、というメンバーもいました。
美しい自然を見ていたり、他のボラバイトとのおしゃべりが楽しくて、スマホ依存症がなおった!というメンバーもいました。
お給料がほしいなら、都市のコンビニなどで働くと思います。
ここまでわざわざ来てくれる方たちは、給料など望んでいない、むしろ、それに代えられない人生に役立つ経験を求めていると理解することができました。
そして、翌年は完全に「ボランティア」で人を募集してみることになりました。
2016年 ボランティアとしての受入れに変更 海外からの申込み 他農園への派遣も
えづらファームの民宿が軌道に乗り始め、海外からも人を受け入れる為、英語のHPを作りました。
それにより、海外からのボランティアの申込も急増したのです。

農家でボランティアを受け入れていて、英語のHPをもっているところが日本にほとんどないため
「Farmstay」「Hokkaido」と検索すると、我が家のHPが1番上に来るとのこと。
えづらファームが良いというより、他に選択肢がないので、必然的にたくさんの外国の方々が来てくれるようになりました。
また、海外の方にはワーキングビザなしにお給料を支払えない為、ボランティアの受入れに変更して、正解だったと思いました。
さらに、この年から、農繁期に我が家のボランティアに他の農園でも働いてもらうようになりました。
派遣先の農家さんは、ほんの数日ではあるのですが、とても助かったと喜んでくれました。
もともと、えづらファームだけでなく、地域自体の人手不足も解消できればという想いではじめた受け入れです。
今後、この動きがもっと波にのっていけばと思っています。
2017年 応募者が受入れ人数より多くなる それゆえの課題も
ホームページの閲覧数も増え、農場ボランティアでネット検索すると、えづらファームが上位にくるようになりました。
来てくれた方の紹介も、自然とつながるように。

この年はじめて、ありがたいことに、応募者が受け入れ人数を上回るようになりました。
全員を受け入れたい気持ちですが、部屋数や仕事内容から考えても、そうはいかないので、基本的には先着で受け入れさせていただくことに。
働きにきてくださいと、地域の家をまわった日が嘘のような出来事です。
でも、HPから直接の申込みが増えることで、贅沢な悩みではあるのですが、新たな課題も出てきました。
ホームページなどで「楽しそう」「農業はすばらしい」といったイメージを強く打ち出しすぎたのかもしれません。
田舎でゆっくりするためにボランティアに参加したのに、こんなに農作業がハードだと思わなかた…と、期待との違いに戸惑う方も現れたのです。
働く時間を短くしてほしい、あまり力を使わない仕事をさせてほしい等と、今までにはなかったお願いをされることも。
そして、この年はじめて、途中で帰る「リタイア」を1名出してしまいました。

また、「食事付きの住宅を探している」「非行に走った息子を預けたい」「家がないので住ませてほしい」「2歳の息子にボランティアを経験させたい」等、こちらの受入れスタイルと異なるお問合せも、たくさん入るようになりました。
世にある他の施設との違いを理解していただく努力をもっとしていかないといけないですが、インターネットで広く募集する以上、こういうミスマッチは起こりうることだと思います。
同時期に滞在する他のボランティアの為にも、仲間として暮らせる、同じ意識をもった方に来てもらう必要があります。
そこで、翌年からは、先着順ではなく、ちゃんと志望動機を聞いた上で選考させていただく必要がある・・・と思うようになりました。
2018年 応募人数が200人に ボランティアをきっかけに遠軽町に2名が移住
2018年は本当に嬉しい年でした。
2013年にはじめてボランティアに来てくれた学生が、社会人経験を積んだ後、えづらファームで従業員として働きたいと言ってきてくれたのです。彼女は遠軽町白滝に移住してきて、今も従業員として頑張ってくれています。

そして、ボランティアに2回来てくれた社会人の女性が、遠軽町の地域おこし協力隊として移住してきてくれました。
はじめは、農場の人手不足解消のために始めた受入れでしたが、その枠を越え、町への移住につながる動きが出てきたのです。
この年は、飛躍的に応募者が増え、合計200名を越えました。
選考はさせていただきましたが、1人でも多くの方に来てもらいたくて、受け入れ人数を増やして70名を受け入れました。
それが実現した理由は2つ。
1つは、ボランティアメンバーが物置だった部屋をリフォームしてくれ、部屋が1つ増えたこと。

そして、従業員として移住してきてくれた子に、ボランティアの農作業指導を任し、私の負担が減ったことです。
従業員が1人来てくれたことで、前線で農作業をした上で食事も作っていた頃では考えられない、精神的、身体的なゆとりを得ることができるようになり、より多くのボランティアを受け入れられるようになりました。
また、選考を始めたことで、ミスマッチはだいぶん減り、充実した時間を過ごしてくれる方も増えました。
でも、この年も、2名のリタイアを出してしまいました。
来年はリタイアが出ないように事前の選考と滞在中のケアをちゃんとしていきたいと思いますが、どうしても続いてしまう課題かもしれません…。
そして何より、1/3の方しか受け入れられなかったのは残念です。
1人との出会いがえづらファームや地域に多くの良い影響を与えてくれていることを考えると、もっと受け入れられていたら、もっともっと何かが起こっていたかもしれない…と思うのです。
2019年は、何とかして更に受入れ人数を増やしたいと思っているのですが、この話は最後にしたいと思います。
受入れにあたって、大切にしていること
「ボランティアだから、人件費がかからなくていいね」
とか、また逆に、
「住込みさせるのは大変だから、人件費がかかっても、地域の人を雇ったほうがいいんじゃない?」
などと、時々言われます。
だけど、私たちは、人件費削減の為に、ボランティアを受け入れている訳ではないんです…。
むしろ、コストのことを考えると、1シーズンずっとボランティアを受け入れるよりも、必要な農繁期のみベテランの方々に働いていただく方が良いかもしれません。

前提はもちろん「先を見据えた、農場の人手不足の解消のため」であり、働き手として多いに期待しています。
今や、農場にとってボランティアの労働力はなくてはならない存在です。
だけど、ボランティアで受け入れをしているのは、「金銭には代えられない価値を、1人でも多くの方と分かち合うため」なのです。
なので、ボランティア1人ひとりが希望する、ここで経験したいことを、できるだけ叶えたいと思っています。
「滞在中、何かしてみたいことある??」と、夫も私も必ず声をかけるようにしています。
「星空を見たい」「花火がしてみたい」(今は自由にできる場所が少ないそうですね)「外で食事がしたい」など…。
そんな小さな希望も、できる限り経験してもらいたいのです。



中には「〇〇を作りたい!」と言ってくれることもあります。
例えば、これはピザ窯。ずっと作りたかったけど、そんな余裕はない中、「作ってみたい!」というボランティアメンバーがいたので、デザインから全てお任せしたところ、こんなに素晴らしいピザ窯を作ってくれました。


このピザ窯でのピザ作り体験は、今は人気の民宿のアクティビティとなりました。
庭づくりに興味がある方も多く、例えば「レンガの道」を作ってくれたメンバーもいました。

他にも、
「オリジナルTシャツ」
「えづらファームのイラスト」
など、ボランティアの子が、ここでしかできない経験として、楽しんで取り組んでくれ、えづらファームの一部になったことは数え切れません。
金銭には代えられない価値や経験は人それぞれですが、それを聞き、叶えられる農場であり続けることが、たくさんのボランティアに来てもらう為に必要なのだと思います。
そして、ボランティアのチャレンジの結果が、パッチワークのようにつながり、ひろがり、えづらファームを魅力的な農場にしてくれているのを感じています。
私たちの農場は、ボランティアメンバーによって、つくり上げられてきたものなのです。
そしてそれは、私たちにとっても、金銭で買うことのできない価値なのだと思います。
また、ボランティアメンバーと真剣に向き合い、心を通わせることができれば、
彼らは、ここでの体験、農村の暮らし、農業のこと等を、自然と友達などに話してくれ、
その血の通った経験談は、私たちの想いと共に広がっていくのです。
ボランティアと共にあゆむ、えづらファームと地域のこれから。
さて、明日から2019年のボランティアがやってきます。
今年は、すでに2018年よりも応募が多かった為、今まで4~5名ほどの受入れだった「ビートの播種」に、思い切って7名を受け入れることにしました。
母屋の他に、コテージにも滞在してもらう予定です。
従業員も2年目となり、去年以上に現場を任せることができそうですので、私はボランティアの受入れに専念したいと思っています。おそらく、去年以上のメンバーを受け入れることができるのではと思います。
そして、これからも変わらず、1人ひとりに貴重な経験を持ちかえってもらいたいと思います。
さらに欲を言えば、その中でたった一握りでも、白滝に移住してきてくれる仲間がうまれれば素敵だなぁと思っています。
ボランティアをきっかけにここに移住してきて、えづらファームで働くことはもちろん、農業を始めたり、カフェやゲストハウスをオープンする人が出ないかなぁ・・・なんて期待すらしています。
今まで300名近くを受け入れ、移住者が2名ですから、もちろん簡単なことではありません。
でも、それは、「人に来てもらう」という枠が農場から地域に広がっただけなのだと思います。
はじめは人材確保に大苦労していたえづらファームにたくさんの人が来てくれるようになったように、次は地域にたくさんの人に来てもらいたい。そのための工夫と努力をしていきたい。
人の集まる農場から、人の集まる地域へ。
みんなでつくる農場から、みんなでつくる地域へ。
今までと同じように、多くの方に支えられ、助けてもらい、新たな課題にぶつかりながら、
きっと叶えることができるはずだと信じています。
2019年。今シーズンもがんばります。
さぁ、明日から。

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