◆ 新規就農者の行く末 ◆
- 2014/06/22
- 23:40
こんにちは、夫です。
私たちは2009年に脱サラをして北海道で農業研修を開始しました。
そして3年間の研修の末、2012年に「江面ファーム」として無事に独立、今年で
3年目を迎えました。多少の紆余曲折はあったものの、ここまでのところ順調に
経営を行っていると思います。
一般的に非農家出身者の新規就農といえば、脱サラをし夢を持って挑戦をすると
いうイメージがあると思いますが、実際のところはどれだけの人が成功している
といえるのでしょうか。
農林水産省の調査によると、平成24年には全国の新規就農者は約5万6千人。
そのうち、非農家出身者の新規就農者は約3千人となっています。年々農家戸数が
減少する中であまりにも少ないように感じますが、その中で安定的に営農を
続けられる人たちとなると更に一握りとなっているようです。
全国農業会議所 の新規就農者に対する調査では「おおむね農業所得で生計が成り
立っている」とする割合は、たったの23.4%しかありません。残りの4分の3の
人達は農外収入や貯蓄、身内からの援助などに頼りながら頑張っているようです。
また就農後の年数における割合では1・2年目 は14.1%、3・4年目は 32.0%、
5年目以上でも 51.5%で、半数は農業所得によって生計が成り立っていません。
そんな状況ですから、当たり前のように離農者が出てきます。5年で新規就農者の
3割は経営が成り立たず離農しているといわれます。貯蓄を使い果たし、金融機関
や近親者などからの借金を背負い新たに職探しをしているのです。
雑誌やTVなどのメディアの多くは、一部の成功例やプラスの面ばかりを強調します。
それに影響され新規就農を目指す人が増えてくれるのはすごくありがたいこと
なのですが、安易な後押しはその人たちの人生を狂わしかねません。
私はこれからの日本の農業をさらに発展させていく原動力に新規就農者の存在は
大変大きな影響を与えていくと思います。しかし現在の状態では、せっかくの人材
が夢をあきらめ農業の世界を去っていっています。
受け入れる農業界側、支援する行政側、両方の歯車がしっかりと噛み合った体制が
整い、たくさんの才能のある若い新規就農者が農業界に根付いて力を発揮して
くれる日が来ることを望んでやみません。
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